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フェアトレードフラワー

定番の贈り物としてよく選ばれる花々は、その見事な美しさで、いつも誰かの生活を明るくし、世界中で求められています。花き産業は、世界でも巨大な産業であり、オランダのような北半球の国々から、気候条件がより適したエクアドル、ケニア、スリランカのような国々へ段階的に生産が移行され、大きな変化を遂げてきました。

花き産業の現状  

切花と観賞用植物は私たちの身の回りに溢れているにもかかわらず、それらを栽培する労働者の多くは、適切な生活水準を得ることに苦労しています。低賃金に耐え、残業代も支払われず長時間労働を強いられ、傷病手当や産休などの福利厚生も受けられていない労働者がまだまだ多いのが現状です。

例えば、エチオピアでは法定の最低賃金が定められておらず、ウガンダでは政府によって定められた最低賃金は世界銀行の貧困ラインの半分になっています。

  • 40%
    フェアトレード労働者全体の40%にあたる7万5千人以上が花き生産に従事
  • 57億本
    フェアトレード認証フラワーの生産量は57億本(2023年)
  • 730万
    世界の国際フェアトレード認証花生産者が得たフェアトレード・プレミアムは730万ユーロ(2023年)
Flowers Fast facts

花き産業の現状

国際フェアトレード認証フラワー(切花・観賞用植物)の生産に関するデータをご覧ください。

花生産者の課題

花き産業は巨大な世界規模のビジネスですが、見逃すことのできない重大な課題に直面しています。

  • 労働搾取:花農園の一部では、労働者は貧困ラインを下回る低賃金しか得られず、生活に必要な基本的ニーズを満たすことができていません。多くの労働者は、時には1日14時間、週6日という長時間労働を強いられており、残業手当はほとんど、または、全く支払われていません。花き産業における短期契約や日雇い雇用の蔓延は、労働者の脆弱性をさらに悪化させています。
  • 市場における力の差:バナナ産業に見られる不均衡のように、少数の大企業が国際花き取引において大きな影響力を行使しています。販売国の小売業者は、強引な価格戦略を理由に、生産者へ大幅な値引きを要求しています。激しい顧客獲得競争により、消費者価格が生産コストを下回ることもあり、花の生産者に甚大な経済的負担がかかっています。
  • 環境と健康への影響:花き栽培における害虫や病気の駆除のための化学物質の使用は、環境だけでなく、労働者と周囲のコミュニティへの健康にも問題を引き起こします。これらの化学物質の流出は水源を汚染し、生態系にリスクをもたらす可能性があります。さらに、花農園で働く人々の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。これらの問題への対処は、花き産業の持続可能性を確保するために不可欠です。
  • 気候変動と病害への脆弱性:花の生産者は、干ばつ、洪水、ハリケーンなど、農場と収穫量を脅かす気候変動による大きな課題に直面しています。花き業界は、植物病害に伴う経済的負担にも対処する必要があります。

花き産業が繁栄を続ける中で、サステナブルでエシカルな世界的市場を創出するためには、これらの差し迫った問題に対処することが不可欠です。

 "フェアトレードのおかげで、私の低い生活水準は良くなり、より高い水準へと改善されました。今では、土地を購入する計画もあります。ここで働き続ければ、フェアトレードの恩恵を受けることができ、預金をして、数年後には家族のために土地を購入することができると思います。"

Jacinta Wanjira Muiga, ケニアの花き生産工場 Valentine Growers で働く労働者

フェアトレードの取り組み

フェアトレード労働者がビジネスを成長させるために、直面している課題に立ち向かう方法は数多くあります。

  • 賃金の改善:花農園で働く労働者の賃金水準をみると、フェアトレード認証農園では、非認証農園の2倍にあたる人数が、比較的高い賃金層に属しています。フェアトレードは、グローバル生活賃金連合(GLW)の創設メンバーでもあり、生活賃金の算出にアンカー方式を採用し、ウガンダ、ケニア、エチオピアの花農家に適用しています。
  • フェアトレード・プレミアム:花と植物は、フェアトレード最低価格が設定されていない数少ないフェアトレード産品の一つですが、最低価格がない分、フェアトレード・プレミアムが、すべてのフェアトレード産品の中でも最高額に設定されています。労働者はこのプレミアムを、教育、地域社会のインフラ整備、労働者の権利に関する研修、その他のプロジェクトへの投資に充てることができます。
  • 労働者の公正な労働条件:フェアトレード基準の雇用労働生産組織に対する基準(The Fairtrade Standard for Hired Labour)は、農薬の規制や保護具の使用などを含む、健康と安全、休暇、社会保障、契約に関する規則を網羅しています。フェアトレード認証を受けた花農園では、労働者と正式な労働契約を結ぶよう定められていますが、これは認証を受けていない農園ではまだ稀です。また、労働者は労働組合に自由に加入できます。
  • ジェンダー平等:フェアトレード生産者ネットワークは、フェアトレード認証農園で各種研修コースを実施し、女性の権利、ハラスメントの定義、効果的なジェンダー政策の実施方法などについて意識向上を図っています。また、女性リーダーシップスクール(the Women's School of Leadership )を拡充し、「すべての人に尊厳を」プログラムをエチオピアのフェアトレード花農園にも展開しました。これにより、1万1,000人以上の女性の労働者が恩恵を受けています。
  • 厳格な環境基準:フェアトレード基準では、水の消費量を抑えた灌漑、厳格な廃棄物管理、生物多様性の保全などの環境基準が求められています。毒性の高い農薬や遺伝子組み換え作物は禁止されています。

ケニアの花農園で持続可能なエネルギーを

ケニアの花農園では、労働者が持続可能でクリーンなエネルギーを推進する取り組みで、地域に変化が巻き起こっています。 このプロジェクトは、労働者とその家族の全体的な社会経済的幸福度を向上させることを目的としています。目標達成のため、フェアトレード・プレミアム委員会により金銭的なインセンティブが与えられ、クリーンエネルギーの普及促進のために能力開発やアドバイザリーサービスなどが提供されています。 さらにこのプロジェクトは、地域で気候アクションを呼びかけるために、より広範なコミュニティと連携しています。 中でも特に、クリーンエネルギーによるソリューションを提供することで、コミュニティ全体のレジリエンスを高めています。さらに、花き栽培農家間の相互学習も促すことで、地域の力を強めています。

人にも、地球にも、ビジネスにも良いものが、フェアトレードフラワーです。フェアトレードに参加しませんか?