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 「実は、地球にも生き物にもやさしい」フェアトレードの環境に良いこと

  • Environment

フェアトレードの環境月間 2025年6月10日~30日開催

フェアトレードを選ぶことは、気候変動対策と生物多様性の保全に直接貢献する選択だということを知っていますか?気候変動対策は私たちフェアトレードがグローバルで対応している重要なテーマのひとつです。気温上昇や洪水、台風やハリケーン、農作物の病気、土壌の枯渇、森林劣化など様々な環境問題により、私たちの生活と食料の確保が脅かされています。


フェアトレードは、アグロフォレストリーなどの持続可能な農法を導入し、農家の収入向上と環境保護の両立を目指しています。フェアトレード農家は、堆肥作り、有機栽培、植樹など、生物多様性を支援する活動も積極的に行っています。これらの取り組みは、気候変動の緩和にも貢献しています。


フェアトレード製品を選ぶことで、消費者は直接的に気候変動対策と生物多様性の保全に参加できるのです。あなたもフェアトレードに参加しませんか?

フェアトレードを選ぶことは、気候変動対策と生物多様性の保全に貢献します

フェアトレードは、生産者の公正な取引を保証するだけでなく、環境負荷の少ない生産方法を推奨し、気候変動への適応を支える仕組みを提供しています。例えば、フェアトレード認証農家は、持続可能な農法を取り入れ、生態系を守るための取り組みを進めています。

国際フェアトレード基準の原則は「経済的基準」 「社会的基準」 「環境的基準」の三本柱で成り立っています。環境に悪影響を及ぼす農薬や薬品の使用規制だけでなく、リサイクルの促進や土壌・水源の保護、生物多様性の保全と向上、遺伝子組み換え作物の禁止などの環境に関する基準を掲げています。

©Fairtrade Česko a Slovensko
©Fairtrade Česko a Slovensko

気候変動の影響と対応

気温上昇や洪水、台風・ハリケーン、農作物の病気、土壌の枯渇、森林劣化など様々な環境問題により、私たちの生活と食料の確保が脅かされています。

ケニアのBernard Njorogeさんによると、コーヒーの花は年に2回咲きますが、気候変動の影響によってコーヒーの開花時期が大きく乱れ、ある農園では年中咲き、剪定時期がわからなくなっています。剪定時期がずれると収穫量の減少や品質の低下に繋がります。また、不安定な降雨によってコーヒーの実がうまく熟さず、実が熟していると思ってコーヒーの実を収穫しても中に何も入っていないこともあります。

カカオは、気候変動の影響によって収穫量が劇的に減少しています。ガーナのBismark Kpabiteyさんによると、以前はカカオを1トン収穫できた土地で、現在は60〜120kgほどしか収穫できないそうです。生活のために廃業するカカオ農家が少なくないといいます。

気候変動の影響によって収穫量の減少や生産コストの増加、収入の減少、労働力不足など負の連鎖が続き、多くの産品が持続可能ではなくなるといわれています。

そこで、国際フェアトレード基準の原則に基づき、気候変動の緩和に取り組みながらフェアトレードを実現できるようなプロジェクトを実施しています。

たとえば、2018〜2023年までガーナで実施された「SANKOFA PROJECT」では、400ha超の土地にアグロフォレストリーと気候変動対応型栽培システムを確立することを目指し、2,900人の農家と134,000世帯に直接的な影響を与えました。カカオを栽培している土地で多様な樹木や食用作物を栽培することで土壌の健康を改善したほか、森林破壊を防ぎながら収穫量と生物多様性を高めることに繋がりました。従来の方法と比較して生産性が上がったためにカカオが多く収穫できるようになったことで農家の収入が26%増加しました。

このように、気候変動対策は私たちフェアトレードがグローバルで対応している重要なテーマのひとつです。

© CLAC

生物多様性の保全と向上

生物多様性は天然資源の過剰利用や気候変動によって脅かされています。たとえば、エクアドルでは気候変動によって在来植物種が消滅したり、山の氷河が溶けていることで淡水の供給が危ぶまれたりしています。

農薬を使うと水や土壌の汚染を引き起こし、生態系に悪影響を及ぼします。

また、農薬は使用される化学物質によって頭痛や発疹などの軽い症状から、神経疾患や肝臓障害などの長期的な問題まで、農家や労働者の健康に害を及ぼす可能性があります。農薬をできるだけ使用しない農法は生物多様性の保全に繋がります。

たとえば、ケニアのフェアトレードバラは、平均的なケニアのバラよりも殺虫剤を 70%、殺菌剤を 75% 減らして生産されています。ケニアの気候は花の栽培に適しており、ヨーロッパではその環境を再現するコストが大きなカーボンフットプリントを伴うことが多いことから、ケニアから輸出先のヨーロッパへの空輸を考慮してもオランダの代替品よりもカーボンフットプリントが低くなります。

また、一部の農場では灌漑用に雨水を集めており、他の農場では湿地を利用して、温室から出てくる水を浄化する設備を採用しています。水が浄化されて水質汚染がなくなるだけでなく、水資源の循環するしくみを作り出しています。

フェアトレード農家は堆肥作り、化学薬品の使用削減、有機栽培、植樹など生物多様性を支援する幅広い活動を行っています。堆肥作りは堆肥化された廃棄物が化学肥料の代わりになるため、生物多様性を促進します。メタンを生成する有機廃棄物が埋め立て地に廃棄されることが減るため、気候変動の緩和にもつながります。農業廃棄物と食品廃棄物の堆肥作りはインドの綿花農場や茶園、ガーナのカカオ農場、ケニアの花卉農場、ペルーのバナナ農園やコーヒー農園まで、フェアトレード農家によって広く使用されています。

このように、フェアトレード製品を選ぶことは生物多様性の保全にも繋がるのです。

 

様々な企業が環境問題の解決に向けてフェアトレードに取り組んでいます

各企業の取り組みは「フェアトレードの環境月間」ページでチェック!